ペーパードライバーの運転上達

ペーパードライバーのための、車幅感覚の掴み方

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 ペーパードライバーの方が運転の練習を始める上で、大きな不安要因の一つとなっていることが多いのが、自分の乗っている車の幅の感覚が分からないということがあります。

そもそも自分の身体よりもはるかに大きな物体に乗っているのですから、ある意味では分からないのも当然と言えます。

とは言え実際に車を運転する時は、ある程度は車幅感覚が掴めていないと困るのも事実です。

そこで、これから運転の練習を始めようと思っているペーパードライバーの方へ、出来るだけ早く車幅感覚を掴むための練習方法を御紹介したいと思います。

まずはこれから運転しようとしている車の正確な幅を知る。

車検証の幅欄の画像

 最近の車は、衝突時の安全性を確保するため等の理由もあり車幅の広い車も多いですが、基本的に日本車の場合は約1.7メートルという数値が一つの基準となっていることが多いです。それは1989年の3月までは車幅が1.7メートルを1ミリでも超えると、非常に高額な自動車税が課せられたことに関係しています。

現在では、高級車とは呼べないような車でも車幅が1.7メートル以上ある車も珍しくはありませんが、1989年までは一部の外車や高級車を除けば、日本の道路を走っている乗用車の殆どが1.7メートル以下の車幅の車ばかりでした。

現在では自動車税の金額は、エンジンの排気量により決まるようになっていますが、それでも「道路運送車両法」という法律上の規格では、幅が1.7メートル以下、長さが4.7メートル、高さ2メートル以下の車両は「小型乗用車」と呼ばれ、上記の数値を1ミリでも超えると「普通乗用車」と呼ばれます。(もちろん軽自動車はもっと小さいです)

ちょっと話が長くなってしまいましたが、まずは自分がこれから運転しようとしている車の幅が1.7メートル以下なのか、それとももっと大きいのかを確認してみましょう。もしも1.7メートル以上であるならばどれ位の大きさなのかを確認して下さい。

確認する方法は、車検証(通常は助手席側のグローブボックス(物入れ)の中に入っていることが多いです)を見て「幅」の欄に記載されています。

どうして車幅の数値を確認した方が良いのかと言うと、人間が両手をいっぱいに広げた状態の幅は、その人の身長とほぼ同じということがあるからです。

なので、例えば身長160センチの人が幅170センチの車を運転しようとする場合は、自分が両手をいっぱいに広げた状態に約10センチをプラスしたのが、これから運転しようとしている車の幅だと思えば、イメージが掴みやすくなると思います。(ただしサイドミラーの出っ張り分は含んでいないので注意!)

運転席から見た風景も役に立ちます。

 それともう一つのポイントは、運転席に座って前方を見た時に、左側の路肩の端のライン(例えば車道と歩道の境の縁石など)が、フロントウィンドウの底辺の幅の中央に来ると、どの車でも車体の左側はほぼ左寄り一杯になっていることが多いということも目安になります。

さらにもう一つの練習法としては、走行中に道路の左側に路上駐車している車があったら、その車の横を通過した直後に自分の車の左側のサイドミラーを見るようにすると、その路上駐車している車と自分の車の左側との間の空間を確認することが出来るので、それを頻繁に行っていると車幅の感覚を掴むための一助となります。

車を降りて、実際に自分の眼で確認してみましょう。

タイヤと白線の画像

 出来るだけ交通量の少ない道で、路肩の白線(正式名称は「車道外側線」または「路側帯」)などにとりあえず自分の感覚で一杯に寄せてみたら、いったん車を降りて実際に自分の眼で白線と車体との隙間を確認してみましょう。もしも一度で寄せ切れなかったら、何度も車体側面と路肩の白線の端がピッタリと重なるまで、少しずつ繰り返します。

そして車体側面と路肩の白線の端がピッタリ重なったら、もう一度運転席に座ってみて、運転席から路肩の白線がどのように見えているかを確認して、その見え方を憶えておきましょう。

どんなベテランドライバーでも、車幅感覚は「何となく」です。

 たとえ運転経験が何十年というようなベテランドライバーであっても、車幅を正確に把握しているということは殆どありません。「何となくこのへんかな?」というくらいの感覚です。しかし人間の感覚というものは大したもので、運転経験を積んでくると「何となくこのへん」位の感覚で寄せて行ったら、ほぼピッタリだったという感じになって来ますので、どうぞペーパードライバーの皆さんも安心して練習して下さいね。