近年、テレビやネットニュースなどでオートマチック車のアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故の報道を目にすることが多くありますが、このようなアクセルとブレーキの踏み間違いよる事故を起こしてしまうドライバーは、そもそもの運転方法に問題があると思われる場合が多くあります。
まず一つ目の原因として考えられるのは、駐車場や見通しの良くない場所等のゆっくり徐行(約10km/h以下)で進むような状況の際に、右足をアクセルペダルの上に置いてしまっていることです。
本来、オートマチック車の運転において駐車場や見通しの良くない場所等の徐行で進むような状況の際には、万が一何かあった時に即座にブレーキを掛けられるように右足はブレーキペダルの上に置いておくのが鉄則であります。
ただし敷地が少し上り勾配であったり、または路面の状態があまり良くなくクリープ現象だけでは車が動かなくなってしまうような状況の時にはもちろんアクセルを踏む必要がありますが、そのような場合でもアクセルを踏み込んで車が動き出したら即座に右足はブレーキペダルの上に戻して置くようにするのが正しい操作法ですが、アクセルとブレーキを踏み間違えてしまうようなドライバーはそのような時に右足をアクセルペダルの上に置いたままにしてしまっており、そしてそのまま動いているうちに自分が右足をアクセルペダルの上に置いていることを忘れて右足がブレーキペダルの上にあると勘違いしてしまい、その結果ブレーキを掛けるべきタイミングで間違えてアクセルを踏み込んでしまうことで車が急加速してしまい、しかもそのような状況に至っても自分が踏み込んでいるのはブレーキペダルであると思い込んでいるので、焦ってさらにペダルを強く踏み込んでしまい結果として車を暴走させてしまうこととなります。
特にアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えによる事故が高齢者に多く見られる理由の一つとして考えられることは、高齢者が免許を取って運転を始めた頃にはマニュアルミッションの車が主流であり、オートマチック車は少数派だったため多くのドライバーが日常的にマニュアル車を運転していたということがありました。マニュアル車での徐行運転の際には「半クラッチ」と呼ばれる操作が必要なこともあり右足はアクセルペダルの上に置いておくことが普通のことでした。
しかしオートマチック車の運転においては徐行運転の際にはクリープ現象を利用することとなるので、その際には右足はブレーキペダルの上に置いておく必要があるにもかかわらず、昔からの運転習慣のまま右足をアクセルペダルの上に置いてしまい踏み間違い事故を起こす原因となってしまうことが多くあります。
それともう一つの原因として、日頃から運転中にアクセルとブレーキのペダルを踏み換える際に、足全体を持ち上げて踏み換えているような運転をしていることです。
オートマチック車の運転においては、右足は踵を床に着けた状態でブレーキペダルの横幅全体の少し右寄りあたりの位置を踏みやすい位置に置いて、そしてアクセルペダルを踏む際には踵を床に着けたまま足全体を斜め右に傾けるようにして、どちらかといえば足先でアクセルペダルを踏むような形で操作するようにして、ペダルを踏み換える際には踵を支点として足全体を扇状に動かすようにして踏み換えることで素早く踏み換えることが可能となり、しかもアクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えを防ぐことが出来ます。(足の傾け具合での踏み換えが出来ていれば、踏み換えの際に踵が床から少し浮いて動いてしまっていても構いません)
上記のようにアクセルペダルとブレーキペダルの踏み換えの際には、なるべく踵を支点として右足の傾け具合で踏み換えるようにして、そしてクリープ現象を使ってゆっくり進む時には右足は必ずブレーキペダルの上に置いておくことを習慣化するという2つのことを早い段階で身に付けることで、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違えによる事故を防ぐことが出来るようになります。